イタリア映画界が世界に誇る、究極スタッフが集結
 「ユナイト・マカロニ傑作選」の収録作品は、イタリア映画界にとどまらない才人たちが集結し、世界に通用する作品として創りあげられたものです。

★夕陽のギャングたち DYNAMITE−BOX
 監督のセルジオ・レオーネは、「荒野の用心棒」でマカロニウエスタン・ブームの口火を切り、「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン」と名作・大作を輩出した監督です。イタリアでは黒澤明に匹敵する人気と尊敬を集める大監督で、本国ではレオーネ作品の完全版DVDラッシュが続いています。
 音楽は、レオーネ作品には欠かせないエンニオ・モリコーネが担当。これまでに手掛けた映画音楽はゆうに200作品を超えています。世界中にファンを持つこのサントラ・マスターが、本作では最高の音楽を提供しています。

★西部悪人伝・大西部無頼列伝・西部決闘史
 「西部悪人伝」シリーズの監督
フランク・クレイマーは、スパイ映画を研究しつくして「サバタ」という西部の007を創りあげました。原色を使った照明や斬新なカメラワークを、ホラーの巨匠ダリオ・アルジェントよりもずっと早くに確立しています。
 シリーズの製作者である
アルベルト・グリマルディは、「夕陽のガンマン」でユナイト資本を引っ張り、米メジャー映画会社とマカロニウエスタンの橋渡しをした敏腕プロデューサーです。
 「西部悪人伝」「西部決闘史」の音楽は、従来のマカロニウスタンのテーマ曲とは一味違い、ジャズ・タッチや日本の時代劇のように仰々しい要素が含まれています。作曲は
マルチェロ・ジョンビーニで、若い頃はもともとオルガン奏者でした。「ローマ・フィルハーモニック・アカデミー」のコーラス指揮者を務めたこともあり、音楽家としての才能は折り紙つきです。
 「大西部無頼列伝」の音楽は
ブルーノ・ニコライが担当しました。エンニオ・モリコーネと同じサンタ・チェチリア音楽院で学び、その関係でモリコーネとの共作も多数あります。コーラスやピッコロの使い方が絶妙で、ファンも多い作曲家です。

★豹/ジャガー・さすらいのガンマン・帰って来たガンマン
 「さすらいのガンマン」「豹/ジャガー」はマカロニウエスタンの巨匠、
セルジオ・コルブッチが監督。代表作は無論「続荒野の用心棒」です。「帰って来たガンマン」の監督リー・V・ビーヴァーは名作「にがい米」の原案でアカデミー賞にノミネートされ、ロベルト・ロッセリーニ監督の「ドイツ零年」で脚本を書いた才人カルロ・リッツァーニの変名でした、まさにイタリア映画界の立役者の一人です。
 「さすらいのガンマン」と「帰って来たガンマン」はイタリアの大プロデューサーの
ディノ・デ・ラウレンティスが製作総指揮を手掛けています。最近では「ハンニバル」や「U−571」が有名ですが、オードリー・ヘップバーンとヘンリー・フォンダ主演の「戦争と平和」、フランコ・ゼフィレッリ監督の「ロミオとジュリエット」などを筆頭に、「天地創造」「バーバレラ」「セルピコ」「狼よさらば」「キングコング」「デッドゾーン」「砂の惑星」などなど…名作から大作まで製作しています。
 音楽はマカロニウエスタンの巨匠、最近でも「マレーナ」で名曲を聴かせてくれた
エンニオ・モリコーネが3作品とも担当しています。「さすらいのガンマン」では民族音楽調、「豹/ジャガー」ではラテン系の明るい曲、「帰って来たガンマン」では歌のための曲を書き、各作品でそれぞれタイプの異なるモリコーネの旋律が堪能できます。別名“モリコーネBOX”とも呼べる名篇集です。

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